心のオアシス 「翠の歳時記」

「翠の歳時記」2025.5.12(月)津門綾羽町   B.N

 【心のオアシス 】PART 94

緑輝く5月、幼い頃からわが家では、お風呂に菖蒲が入り、ものめずらしく菖蒲の束を抱いて浮き輪がわりに足をバタバタやって母親にしかれた記憶がありますが、ものの書によりますとこの菖蒲が「尚武」と結びつき男の子の節句になったようです。

 

5月1日は立春からかぞえて八十八日にあたり昔から田植えや茶摘みをはじめます。この頃は朝顔やトマト、キュウリ等、夏野菜の苗を植え る好季です。♫夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉がしげる、あれに見ゆるは茶摘みじゃないかあかねたすきにすげの笠♪今の子供達にとって、縁遠い歌詞ですが、昭和一桁生まれの私にとっては家族とののんびりした生活、平和なくらしが思い出されます。

 

「目に青葉、山ほととぎす、初鰹」という山口素堂の俳句がありますが、もともと鰹のあまり好きでない私には意味は大きく異なる。「その声でとかげくらうかほととぎす」という句の方が強く印象に残っています。また鰹は江戸時代から「勝魚」とも呼ばれ、縁起のよい魚として江戸っ子の間では初鰹を粋の証しとして食されてきました。

 

私を含め昭和人間は句を五感で感じてきましたが最近では食生活において句を感じることが少なくなりました。5日は立春、暦の上では夏になりますが、端午の節句で今は子供の日として広く全国的に子供の成長を祝う日となっています。この頃、ツバメ、トンボがとび交い庭の木々にカタツムリがのろのろと動き野や山が浅き色に染まり翠の日とも呼ばれてきました。今は、少なくなりましたがこの日、子供の成長と

立身出世を願って鯉のぼりを立てました。鯉は清流でない沼でも生きていける生命力の強い魚であること激しい流れの滝を昇り切った竜になぞらえて鯉は竜になるという故事から、鯉のぼりを立てるようになりました。立夏から気温も上がり草木の成長が増してくると生きものたちの動きも活発になって水田では、蛙が鳴きメダカやどじょう、やごやたにしもやってきてのどかな田園風景に鳥も含めた生体系が築かれます。10日からは「蚯蚓出(みみずいずる)」このみみずは害虫を食べ畑土をほぐしてくれるので農家の強い味方です。15日からは「竹笋生(たけのこしょうず)」筍が竹になりグングン伸びるころです。21日からは「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむり)」蚕が桑の葉をたくさん食べて育つころ、さなぎになるときのまゆから美しい絹糸ができます。21日の小満を迎えると木々の葉が生い茂ってきます。麦の穂がつき梅が実をつけはじめます。5月も下旬になると「卯の花くだし」という数日間ほど天気がぐずつくことがあります。

 

本格的な梅雨に先がけて梅雨を思わせるような雨天が続く様子を表しています。湿度も高くなってきますので、そろそろ梅雨対策や衣替えの準備を心がけましょう。